「袋構造部内面膜厚用プローブ」V3FGA06Hを使用したカーボディ中空部の内面における非破壊KTL測定

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「袋構造部内面膜厚用プローブ」V3FGA06Hを使用したカーボディ中空部の内面における非破壊KTL測定

自動車産業では乗用車に関するひとつの品質特性として防錆保証することの重要性が明らかに高まっています。

その実現には、高度な防食性とその品質管理が要求されます。とりわけ、ボディの中空部内部へのアクセスが難しい部分では、あらかじめ設定されたKTL(陰極浸漬コーティング)膜厚の公差を確実に守らなければなりません。
直接見えない部分では、気付かれないまま腐食が進行しかねないためです。

このような中空部でKTL膜厚を直接非破壊的方法で測定することは、これまでほとんど不可能でした。
通常は測定部位にアクセスするには、ランダムサンプリング式にボディを破壊しなければなりません。これでは非常に高いコストがかかり、検査の時間も長くなります。

当社では、特にこの用途向けに「袋構造部内面膜厚用プローブ」V3FGA06Hを開発しました。
このプローブはその構造上、中空部内面のアクセス穴に簡単に挿入して、KTL膜厚を正確かつ非破壊で測定できます。

このプローブ(磁気誘導式プローブ)は25㎛未満の代表的なKTL皮膜(Znを含む)を対象として最適化してあります。3点支持による可動のプローブヘッドが実現されたことによって、直接見えなくてもプローブは常に確実かつ再現性のある形で中空部内面に当たります。

「袋構造部内面膜厚用プローブ」V3FGA06Hによって自動車産業は、これまでアクセスできなかったボディ中空部においてさえKTL膜厚を非破壊方式で迅速かつ正確に測定できるプローブを得たことになります。

プローブヘッドの可動性(角度自由性)が高いため、中空部内の平らな面だけでなく、屈曲面も測定できます。プローブには目盛付きのストッパがあり、これによって、あらかじめ定められた測定部位についてアクセス穴からの所定の距離で測定できます。

測定点とストッパの最大距離は170mmなので、アクセス穴に到達可能です。プローブ挿入の際にKTLコーティングに掻き傷を付けないようにするため、プローブヘッドはプラスチック製です。

プローブV3FGA06Hによる代表的な測定例

同一の測定部位に関する様々なオペレータの測定(個々のオペレータA1~A6によって測定された膜厚の間に体系的な差異は認められない)

元素DIN EN-71による限界値
(単位ppm)
POM
(単位ppm)
検証限界PVC
(単位ppm)
青色ABS
(単位ppm)
測定例
褐色ABS
(単位ppm)
Sb6042.643.224.945159(180)
As253.98.72.732(3.8)
Ba1000138.087.060.02740(79)
Cd7517.419.222.210(8.4)
Pb908.712.66.54(4.3)
Hg602.48.11.5-3(2.6)
Se5001.54.21.25(1.7)
Cr6011.754.07.512134(281)

結論

「袋構造部内面膜厚用プローブ」V3FGA06Hによって自動車産業は、これまでアクセスできなかったボディ中空部においてさえKTL膜厚を非破壊方式で迅速かつ正確に測定できるプローブを得たことになります。

非破壊試験により、コストが削減され、迅速に結果が得られ、KTLコーティングプロセスに対して直ちに対応することができます。


対象の測定機器

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